政府の追加経済対策の一つ、新卒者の就職支援策が動き出した。景気回復の道筋が見えない中、雇用拡大に慎重な企業が多い。菅政権が重視する雇用対策の柱として打ち出された支援策は、どこまで効果を上げるのか。
この日、細川律夫厚生労働相は東京都港区の六本木ジョブパーク内に新設された「東京新卒応援ハローワーク」を視察した。現役大学生や既卒者ら約100人 が参加した企業説明会などを見て回り、「びっくりするほどたくさんの学生が来ていた。(支援策を知った)企業からも求人がたくさんある」と話した。
新卒者支援策は、この日の閣議で使われることが決まった今年度予算の「経済危機対応・地域活性化予備費」を活用する。各都道府県の県庁所在地にあるハ ローワークを中心に新卒者専用のコーナーを設置。卒業後3年以内の既卒者を正社員として採用したり、トライアル雇用を実施したりする企業への奨励金の受け 付けも始まった。厚労省によると、奨励金の対象となる求人は、24日までに全国で1万7千人分が集まっているという。
ただ、奨励金制度を利用するには、求職者がハローワークに登録することが必要。ハローワークで積極的に求職活動をする若者は多くはない。都内の担当者は 「インターネット中心の就職活動で、孤独に続けている人も多い。ここに来れば求人も情報もあると知ってほしい」と呼びかける。
視察には、小宮山洋子副大臣と小林正夫政務官も同行。雇用問題を担当する政務三役が並んで新卒者支援に対する意気込みを見せたが、残された課題も山積みだ。
例えば、菅直人首相が打ち出した「雇用促進税制」。9日の新成長戦略実現会議では、来年度の税制改正で実施するよう厚労省を含む関係省庁に指示が出た。今後、政府税制調査会にプロジェクトチームを設置し、具体的な検討を始める。